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2010年12月 3日 (金)

第三書館『流出「公安テロ情報」全データ』について

このブログは飽くまで政治思想などを抜きにして一共産趣味者がゲバスタイル等々を語る場ですので、政治的な発言はしないようにしてきましたが、今回は正直頭に来たので少々思うところを書きます。

流出の経緯は報道の伝えるところですので、まずはなぜこの本が出版されたのかということを確認します。

第三書館の社長北川明氏は、

―――――――――――――――――――――――――――――

「警察が内部資料と認めていない以上、出版する権利はある。警察の情報管理のずさんさやイスラム教徒を敵視する姿勢を浮き彫りにしたかった」(毎日 11/27)

「流出により日本の情報機関の信用が失墜した。イスラムを敵視する当局の姿勢も浮き彫りになった」と説明。個人情報を掲載する是非や著作権については「すでに流出しているデータである以上、出版の重要性が勝る。警察は自らの情報と認めておらず、我々には流出情報として出版する権利がある」(朝日 11/27)

「そもそも警察がテロリストを疑って個人情報を集め、違法捜査をしていることを明らかにしたかった」(共同通信 11/27)

「捜査が適正なのか問題提起したかった。個人情報を含め全文を掲載することが実態を伝えることになる」(日経 11/27)

「ジャーナリストとして捜査の違法性を問題提起した」と意義を強調し、「イスラム教徒だという理由で外国人が差別されかねず、国際問題になるのではないか」と話した。流出資料に事実誤認があるとする在日外国人もいる中、個人情報を掲載したことについて、「インターネット上に出ており、秘密性はない。いろいろな検証は当然やっている。名前が出た外国人に知らせる目的もあった」と述べた。(時事ドットコム 11/27)

―――――――――――――――――――――――――――――

と述べてきました。

つまるところ出版の目的は、

①捜査機関のイスラム教徒敵視
②違法捜査、あるいは捜査が適正かどうか
③情報管理の杜撰さ

を明らかにし問題提起をすることにあり、これらの問題提起の究極的目標は①イスラム教徒敵視姿勢の改善、②違法捜査撲滅、③適切な情報管理の実現にあるといえます。

ですが、前述の問題提起の為に個人情報(家族の実名、生年月日、通っている学校、住所、勤務先、住所歴、学歴、電話番号、携帯電話番号などなど)をそのまま掲載する必要はあったのか、甚だ疑問といわざるを得ません。

そもそも違法捜査によって侵害されるのは捜査対象者の人権であり、より直接的に侵害されるのは平穏な生活であります。個人情報をそのまま掲載するという行為は、捜査対象者のプライバシーを侵しており、公安当局の“違法捜査”と態様は違いこそすれ、捜査対象者の人権を著しく損なう行為であるという点で全く変わらないと考えます。

またこの本の表紙にはこう書かれています。

―――――――――――――――――――――――――――――

●公安当局のあまりにずさんな情報管理が露呈!!
●イスラム教徒敵視だけのオソマツな「テロ対策」!!
●FBI、CIAの機密も漏洩して国際信用大失墜!!

―――――――――――――――――――――――――――――

これらの宣伝文句からは、今回明らかになった問題点を改善していこう、あるいは違法捜査を糾弾し二度と許しはしないというような積極的態度は感じられず、公安当局の失態をあげつらおうという消極目的での出版意図しか感じられません。

私がこう感じる理由のひとつはそもそも北川氏が以前から週刊誌等でも報じられていたとおり左翼活動家であったことにあります。

たまたま今回流出したのは海外のテロリストと目される人物に対する捜査記録ですが、では流出したのが国内の過激派と称される諸団体、即ち中核派、革マル派、革労協現代社派、革労協赤砦社派等々の関係者と目される人物への違法捜査の記録であったならどうでしょうか?第三書館はそれでも無修正のまま出版をしたでしょうか?

第三書館は間違いなく今回のような全文掲載はせず、少なくとも伏字にしたであろうと私は確信しています。
そのような個人情報が衆目にさらされたら、活動家でも活動家でなくてもどれほど生活に支障をきたすかということが彼の活動家としての今までの経験を元にすれば容易に想像できるからです。

では、なぜ今回の捜査対象者であったイスラム教徒に対してはそのような配慮ができなかったのでしょうか?
よりはっきり言わせてもらえれば、テロ協力者かのように扱われたイスラム教徒たちのことなんか考えては居なかったのだとしか判断できません。でなくては、このような行動が取れるはずがない。

確かに流出した情報ですから法規範によれば保護に値しないのかもしれない。でも人間としての倫理規範に則ってやってもよい行動かどうかはわかるはずですし、わからなくてはいけないのです。

公安当局憎さのあまり、言論・出版の自由の美名に隠れて、本来最優先にされるべき力のない一個人のプライバシーが公表された場合の影響をよくよく省みず、きわめて独善的な“大義”を振りかざし今回のような血迷った行動に出たのであろうと思っています。

第三書館が一刻も早く出版を取りやめ、個人情報を公開されたイスラム教徒の方々に謝罪と補償をし、市場に出回った当該書籍を自主的に回収すること望みます。

最終更新:0時41分





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